番組審議会

議題

第480回 「ダイドーグループ日本の祭り 春の野山にヨシターが響く~小千谷 牛の角突き~」

放送日時
2025年7月27日(日)14:00~14:55

審議会開催

2025年9月18日(木)11:00~

審議会出席者(レポート提出含む)

審議委員(8名)

委員長 伊藤 満敏
副委員長 本田 賢一
委員 山田 富美子
委員 廣田 徹
委員 杉浦 一成
委員 槇 大介
委員 吉田 謙佑
委員 岡井 美奈

以上敬称略

放送事業者

酒井 昌彦 代表取締役社長
髙島 裕介 取締役
中馬 淳一 取締役
鈴木 秀喜 番組説明・報道制作部
武者 正人 番組審議会事務局

議事の概要

番組審議では番組制作者による番組概要・企画意図等の説明文と動画送付し、委員より事前に提出されたレポートを取り纏め、審議会ではポイントとなる意見をいただく形式をとった。

  • 菅教授の小千谷の角突きが勝負の勝ち負けをつけずに「引き分け」で勝負を着ける「引き分けの美学」という説明は教授らしい分かりやすい説明だった。さらにルーツの南部牛から繋がる小千谷の角突きの歴史の変遷の説明があり、初めて認識する内容であった。
  • 会場の声援や牛と勢子たちの躍動の映像が楽しめた。山深い過疎地である地域の間違いなく重要な地域振興のエンタテイメントになっている現実が良く理解できた。
  • 江戸時代から続く越後の闘牛(角突き)の伝統を守ることへのプライドがこの地域の方々に存在する現実が見られて良かった。
  • 現地や現場での収録時間と滞在時間が長いロケのおかげで初めて知ることが多い番組になっており、丁寧な取材で得られた貴重なシーンや出演者の含蓄ある言葉が、上質なドキュメンタリー作品に仕上がっていたと思う。
  • 番組では牛の角突きについて、中越地震を乗り越え、長年受け継がれてきた素晴らしい伝統行事としてのプラスの面だけを捉えるのではなく、動物愛護とのはざまで課題を抱えていることにも触れていたのは良かった。その中で、小千谷の角突きでは勝敗を付けることなく引き分けにするのが慣例となっているため、牛の負担が軽く、牛が長く角突きに参加できる環境にあることが紹介され、動物愛護の観点からも配慮された伝統行事であることを示した点は、牛の角突きに対する視聴者らの理解を得るうえでも意義のあるものだったように思う。
  • 小千谷の牛の角突きについて、その歴史をひも解きながら、今に受け継ぐ人たちの心意気と「やっている自分たちが楽しい」という本音、岩手県久慈市で牛を生産する人たちの思い、角突きの観客の思い、動物愛護との関係を多角的に分かりやすく掘り下げたこの番組のスタッフの熱意に敬意を表したい。
  • 岩手県が急に登場した印象もあり、牛の生産との関係性についてはもう少し丁寧な説明があると、より理解が深まったかもしれない。
  • 「小千谷の復興は牛の角突きから」と、一致団結して中越地震後復興した東山地域の皆さんと牛たちに畏敬の念を抱いた。 独自の文化があることが地域の命運を分けるのかもしれない、地域を愛する気持ちがいざというときの強さに繋がるのではと深く考えさせられ、単なる祭り観光イベント紹介の番組とは一線を画する内容だったと思う。
  • 番組の構成として「牛の角突き」の祭りといったイベントに留まらず、民俗学者による文化的な深堀りを行うことで、牛と人間との絆、地域のコミュニティの継承そして伝統文化や歴史の奥深さなどを知ることができ、エンタメ要素と共に教育的にも大変興味深く視聴させていただき良い番組制作だった。
  • 動物愛護と角突きについて考察していたが、観覧に来た観光客の「牛を傷つけない」「引き分けにし、牛を大事にしている」との言葉や、地域の子供達が闘牛会場で楽しそうに歌っている姿が映され、長い角突きの歴史を理解し繋いできた勢子の皆さんをはじめとする地元住民が歴史や文化をしっかりと理解しながら正しい価値感を伝えている答えのように感じた。
  • 地域にとって、大きな存在である牛を通じて育む地域のコミュニケーション、地域住民が一丸となって祭りの準備に取り組む様子が丁寧に描かれていた。
  • 映像とナレーションで、祭りの魅力を広く伝えながら、文化の保存と継承に対してのメディアとしての役割を十分に果たしていたのではないか。特に、祭りの背景や関係者の思いを丁寧に紹介する構成は、視聴者に対して深い理解と共感を促すことができたのではと感じました。今後も、このような地域文化の焦点をあてた番組が継続・発信されることを期待している。
  • 平沢さんの牛への深い愛情が、表情豊かに映っていた。「春になって青い草を食べさせてやりたい・・」この言葉は、雪国に住む私にも共感できる言葉で、日々そこで暮らす方をしっかり取材しないととれないコメントだったと思う。