出張中で大雪に巻き込まれた。
電車も運転見合わせ。
もうどうしようもない。
ただ待つことしかできない。
そんな私を救ってくれたのが誰あろう「東海林さだお」大先生である。
あらゆる料理を題材に軽快な語り口で深い(場合とそうでない場合があるが)洞察を加える、
名著「まるかじりシリーズ」を駅の売店で買っておいたのだ。
ナイス!自分。
新刊は、
いちじくを通して利己的社会を批判し、
目玉焼き界の隠れキリシタン「ソース派」の救済を説き、
枝豆と空豆のライバル関係から格差社会を風刺する。
縦横無尽に食と世を切るのである。
最大の魅力は、
下らないことを真面目に考察するその豪腕と、
真面目なことをふざけて語る身軽さだ。
これがユーモアでなくてなんだというのだ。
いつなんどき読んでも笑っちゃう。
じぶんこんなに笑顔になれるんだ!っていうぐらい笑顔になっているのがすごい。
疲れたアラフォーおじさんを百発百中で笑顔にするなんてなかなかできないでしょ。
微笑みながら読み進めると、「おっさんキモイ」という視線がどこからともなく飛んでくる。
それがどうした。
奇異の眼差しをものともしないメンタルを鍛えることができるのだ。
もはやメリットしか存在しない。
1冊で1時間はたっぷりたのしめる。
旅のお供はこれしかない。
ただひとつだけ惜しかったのは電車が3時間停まったことだ…。
しかたないもう一度読むか…
2回読んでも面白いやないかい!!
役に立つのはスマホの交通情報だろうが。
笑顔はくれまい。
やっぱりまるかじりシリーズだ。