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“クマ”に遭遇したら…今年は“クマ”の出没増!?専門家「走って逃げるは絶対ダメ」【新潟】

2023年05月16日 19時02分更新

これからの時期、散策や山菜採りなどで山に入る際、注意が必要となるのがクマによる被害です。今年は、ある理由からクマの数が増えていると言います。その理由とクマに遭遇してしまったときの対応について専門家に聞きました。

【桶屋美圭アナウンサー】
「山菜採りやトレッキングなど、山での行楽がにぎわうこの時期。人間と同じく活動が活発になるのがツキノワグマです」

新潟県内の広い範囲に生息しているツキノワグマ。

3年前には関川村で70代女性が死亡するなど、県内では毎年人身被害が発生しています。そして、これからの時期は特に注意が必要です。

【長岡技術科学大学 山本麻希 准教授】
「4~5月の冬眠明けは山菜の時期で、クマも山菜を食べている。気がつかないで、(人とクマ)どちらも熱心に山菜を採っていると、バッタリ出会ってしまって、襲われることがある」

こう話すのは、クマの生態に詳しい長岡技術科学大学の山本麻希准教授です。

冬眠明けの4月から7月にかけてはクマが活動的になり、目撃・痕跡件数が多くなる時期。さらに…

【長岡技術科学大学 山本麻希 准教授】
「令和元年・2年はクマが大量出没している。県内のブナの実りが良くなかったので」

ブナが大凶作だった2年間は目撃情報に加え、人身被害も急増。去年・おととしは、ブナの実りが良く、目撃情報や人身被害は減少しましたが…

【長岡技術科学大学 山本麻希 准教授】
「クマは餌のいいときに子どもを産む性質があるので、令和3年・4年は、また産んで増えている」

クマの数が増えている可能性が高いと指摘します。そこで…

【長岡技術科学大学 山本麻希 准教授】
Q.クマの出やすいところは?
「クマは繁忙性といって、明け方や夕方の薄暗い時間に一番活動が活発になる。クマ鈴や音の鳴るラジオを持つなどして、クマとバッタリ出会わないようにする」

それでも遭遇してしまった場合には…

【長岡技術科学大学 山本麻希 准教授】
「距離がある状態でクマと出会った場合は、クマもいきなりは襲ってこないので、クマを見ながら、できるだけ距離を空ける。一番怖いのは、5m~10mの非常に近い距離でバッタリ出会うこと。そのような場合はクマスプレー(を噴射する)」

襲われてしまったときには、防御姿勢を取って、目と後頭部・内臓・背中を守ることが重要です。

【長岡技術科学大学 山本麻希 准教授】
「一番悪いのが走って逃げる。これは絶対にやらない。クマは走るものを追う性質がある。時速40キロくらい出るので、全く人間には振り切れない」

県も山菜採りなどで山に入る際は、一人ではなく、複数人で行くことなどを呼びかけています。

また、ブナが凶作だった時期に、畑や民家においしい餌があると知ったクマも多くいるため、山だけでなく、平地でも注意が必要だということです。

命を守るためにも、もしものときに備えておくことが大切です。