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「新型コロナの名称変更を」株式会社"コロナ"が抱く社名への思い…「誇りを持って」【新潟】
2023年03月17日 18時34分更新
マスクの着用をめぐる判断が個人に任されたほか、5月には感染症法上の取り扱いが5類に引き下げられるなど新型コロナウイルスは一つの節目を迎えています。
一方、同じ名称を持つ三条市のメーカーはその名称をめぐり、一つの行動を起こしました。
【松村キャスター】
「三条市の住宅設備機器メーカーコロナです、1月からはエアコンの製造が始まっている社員の皆さんが集中して作業を行っています」
株式会社コロナ。
1935年に、創業者・内田鐵衛が石油コンロの開発中に見えた炎と太陽のコロナを結びつけて付けた社名です。
3月10日、コロナの大桃満社長は5類への引き下げのタイミングで新型コロナの新たな名称を検討していた厚生労働省に世界的に使われている「COVIDー19」に変更するよう求めました。
【コロナ 大桃 満 社長】
「未来の社員および、そのご家族に社名と同じ名前が残るようでは…。社員の不安が払拭しなくてはいけない」
2020年、新型コロナの感染が初めて確認された当初は、社名をめぐり社員の子どもが学校でからかわれる、「コロナ」と表記された社有車の写真を撮られるなど想定外の事態が起きました。
その状況を払拭したのが…
【紙面広告】
「わたしたちは、コロナというなまえに、じぶんたちのしごとに、ほこりをもっています。キミのじまんのかぞくはコロナのじまんのしゃいんです」
2020年6月、新聞に掲載された一面広告です。これを見た社員の子どもたちからは。
【コロナ 大桃 満 社長】
「良かった、これで安心して学校に行けるというもの(反応)が多かった」
この3年間、偏見や差別のきっかけとなり人々に心理的な傷を与えることもあった新型コロナウイルス。
新聞広告は、道徳の授業でも取り上げられ、東京や青森の児童から励ましの手紙も届きました。
一方、コロナにとってのウイルス禍は大きな問題が山積する日々だったと言います。
【コロナ 大桃 満 社長】
「原材料が相当高騰しました。また、中国上海ロックダウンがあり、電子部品が入らなくなった。そちらの苦労の方が非常に大きかった3年ですね」
現在、部品の調達は回復傾向にありますが、原材料の高騰は終わりが見えていません。それでも、いま、会社を支えるモチベーションとなっているのは社名であると大桃社長は考えています。
【コロナ 大桃 満 社長】
「色んな苦労・苦難を乗り越えながら、あすは明るいコロナの太陽を目指しているところです」
3月13日、新型コロナの専門部会は、感染症の名称を引き続き「新型コロナウイルス」とする方針を決めました。
三条市のコロナはCOVID19の使用を希望しつつ、「コロナ」という社名に誇りを持って製品を作っていくとしています。
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